にきびとは、医学的には、尋常性ざそうという。青年期の男女の主として顔面に、また胸部及び背部に、毛嚢に一致してアワ粒大ないしアズキ大の丘疹が多数発生し、多くは皮膚面上せ円錐形に高まり、新しいものは鮮紅色を呈し、古いものは暗紅色となる。自覚症状はなく、しばしばこの丘疹はその頂上に黒い点をもち、これを圧出すると、頂端の黒変した黄白色の柱状物が得られる。これはおもに角質と皮脂とからなって、毛嚢をふさぐもので、面ぽうと称される。丘疹のあるものはやがてその先端に黄白色の膿点が現われ、排膿すると小さいか皮をつくり、か皮が脱落すると一時暗色の色素沈着をとどめる。化膿がやや深く進めば、治ゆののち浅い瘢痕をのこす。これをざそう瘢痕といい、その高度のものははなはだ醜形を呈し、本人の精神的負担となることがある。ざそうの炎症が深達すると、指頭大の堅い結節となり、とう痛を訴える。個々の発疹は数週間のうちに治ゆするが、相次いで新生し、数年を経てもなお継続する。しかし、30歳以降には自然に治ゆするのがふつうである。本症患者は皮膚一面に皮脂の分泌が著しく、油性光沢を帯び、いわゆる脂漏の状態を示す。本症の原因には内分泌腺機能の異常、特に男女性ホルモンの不調和が重視される。また胃腸障害、便秘による自家中毒も原因に数えられる。ざそうが化膿するのはね外から侵入した化膿菌の作用である。
ニキビダニは、動物学上では、クモ形綱ダニ目に属し、ツツガムシに近縁である。顕微鏡的の存在で、体長が雌の大きいものでも0.4mm、雄では0.3mm以内である。細長く幅狭い胴の初めのほうが胸部で、その腹面には3節に分れる短い歩脚が4対ある。あとはすべて腹部で、横の環が多数あるが、真の関節を示すものではない。端部は細まる。雌には腹部前方に生殖門の開口があり、雄は胸部の第2〜3歩脚間にまた状の陰茎をもつ。卵生で、幼生時は歩脚は3対、歩きさなぎ時代には4対となる。人間の皮脂腺や毛嚢に寄生するが、多くの人が知らずしてこのダニを宿しているといわれる。
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